トップ > 特集 > ブログソフトの老舗、シックス・アパートが目指す先は? - Movable Typeの展望について徹底討論 本音でリアルな会話を大公開(1)

1994年東京大学工学部卒業後、2002年米カーネギーメロン大学ビジネススクールで経営学修士(MBA)を取得。技術系出版社で編集や事業開発に従事したのち、2003年12月、株式会社シックス・アパートを設立 。インターネット上のウェブサイト構築・管理のための「ブログ技術」の開発と、関連する製品・サービスやコンサルテーションを提供する。ブログなどソーシャルメディアに関する著書、講演多数。
1971年米国サンディエゴ生まれ。慶応大学総合政策学部(SFC)を卒業し、FMラジオ局「InterFM」の設立に参画、同局最初のクリエイティブディレクターへ就任。
1997年渡米。School of Visual Arts Digital Arts専攻を経てNYでデザイナーとして活動。2000年クリエイティブの新しい形の流通を目指しクリエイターネットワーク「loftwork.com」の構築をスタートし株式会社ロフトワークを林千晶と共に設立。2003年 代表取締役に就任。
ブログソフト・サービス老舗のシックス・アパートは、2009年11月に発売した同社の主力ブログソフトの最新版「Movable Type 5(MT 5)」において、CMS(コンテンツ管理システム)の機能を大幅に強化している。Movable Typeをカスタマイズしたサイト構築の事例はこれまでも多数あったが、従来からのブログ機能に加え、サイト管理機能をより強化する方向へ舵を切っている。シックス・アパートで代表取締役を務める関信浩氏に、「CMSの今後はどうなるのか?」という世情的な話から、Movable Typeのロードマップ、戦略や展望など、本音を聞いた。
諏訪 シックス・アパートにとって、2009年の大きなトピックスは、やはり「Movable Type 5(MT 5)」の出荷開始ですよね。まだ発売して間もないですが、ユーザーやパートナーの評価はいかがですか。
関 評価は上々です。従業員の評価も高いし、ユーザーのブログでも高く評価していただいているコメントもあります。まずは好調な滑り出しとなりました。
諏訪 支持されているポイントは何であると分析していますか。
関 先日の対談企画(対談記事はロフトワークのサイトで公開中)で登場させてもらった金子(執行役員製品担当)は、今回のMT 5でグローバルの開発責任者を務めました。当社は米国に本社を置く外資系企業ですから、普段は日本のユーザーやパートナーの要望を、ソフトに反映させることは結構難しいんです……。ですが、MT 5では、日本法人に籍を置く金子が陣頭指揮を執りましたので、日本の声をかなり反映させることができたんです。
日本のMTユーザー、10人以上にそれぞれ2時間ほど個別インタビューして要望を吸い上げるなど、日本の要望に合った開発に力を注いだつもりです。そのような“日本仕様”が高い評価を受けているのでは、と感じています。
諏訪 MT 5では、ユーザーインターフェイス(UI)も変更しましたね。UIを変えると、既存ユーザーが嫌がるケースがあります。思い切りましたね。
関 正直に話すと、変えるつもりはなかったんです。ですが、バージョンを上げる度に、複数の新機能を追加してきたので、ユーザーがある機能を使いたい場合、その操作数も増えてしまいました。新版ではそれを解消したかった。今回は操作数を軽減させることを優先して、UIの変更に踏み切ったんです。ちなみに、今回UIを担当したデザイナーも日本人なんですよ。
諏訪 企業秘密かもしれませんが、開発は何人体制だったんですか。
関 コーディング担当者は4人ほどで、デザイナーやQA担当者などを含めれば二桁くらいですね。
諏訪 結構多いんですね。日本が開発をリードすることで得られたメリットは、MTユーザーの要望を反映させやすかったこと以外にありますか。
関 トレンドに適した製品づくりですね。米国と日本では、進化の流行に若干違いがあるんです。ブログソフトウェアは、米国では「ソーシャル・パブリッシング・プラットフォーム」へと進化しようとしています。ブログを含めたコンテンツだけでなく、ユーザー管理やユーザー同士のコミュニケーション管理を含めた管理性が求められています。一方で、日本はCMSへの流れが強い。なので、MT 5ではCMSとしての機能強化を優先しています。日本の流れにマッチした機能を追加できたことは大きかったですね。
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