トップ > 特集 > 誰でも使えるCMSに。クラウド化も構想中 - Movable Typeの展望について徹底討論 本音でリアルな会話を大公開(2)

諏訪 今、日本では、CMS自体がトレンドですよね。企業がWebサイトで CMSを導入する機運は高まっています。市場環境としてはまさに追い風ですし、CMSツールもかなり増えましたね。ただ、新しい製品が登場する裏では、多くのCMSが消えています。生き残るCMSに必要な要素は何でしょう。
関 CMSは、ユーザーにとって大切なWebコンテンツを預けるコンテナのようなものです。永続的に修正・更新できることが必須条件で、それを約束できない印象を与えれば、ユーザーはついてこないと思います。ソフトウェアメーカーとして、製品ロードマップをしっかりと示し、カスタマイズや使い方などの情報も無償で積極的に公開することで、安心してWebコンテンツを預けられると、ユーザーに認知していただくことが重要なのではないでしょうか。そこが生き残るか、消えるかの1つの境目だと思います。
諏訪 なるほど。別の観点でトレンドについて言及すれば、SaaSやクラウドの流れがあります。2010年はますます発展しそうな気配ですが、シックス・アパ−トの考えは。
関 ソフトウェアの利用形態は、確かに進化していますよね。サービス化の流れは着実に浸透すると私もみています。シックス・アパートもこのトレンドは確実に意識していて、クラウドに必須な仮想化や自動化のテクノロジーはすでに組み込んでいるんです。
それから、現時点ではあまり詳しく話せないんですが、ホスティング事業者との協業も今後検討していく予定です。シックス・アパートは、クラウドや SaaS型サービスを当社だけで提供しようとは考えていなくて、協業によるサービス提供を考えています。あくまでもシックス・アパートはアプリケーション開発に徹して、インフラは他社との協業で推進する。シックス・アパートを中心としたエコシステムを形成する戦略を取ります。
諏訪 クラウドが浸透すれば、ユーザーはMT導入のためのシステム構築や運用負担を軽減でき、よりユーザー層を広げられそうですね。
諏訪 ユーザーのターゲットについて、ロフトワークのユーザーは、大規模サイトを構築・運用する企業が多いのですが、MTはブログツールから始まった経緯がありますから、小規模なサイトに適した印象があります。MTの対象は今後も小規模サイトが中心になるんですか。
関 そうですね。大手企業の基盤CMSになるようなケースは多くありませんが、シックス・アパートのパートナー企業(ProNet)がMTのプラグインで機能を補完し、大規模なCMSにも対応できる製品を提供しています。
諏訪 MT自身が大量のWebコンテンツを管理するような基盤CMSを目指す可能性は。
関 今は目指すべきステージではないと思っています。シックス・アパートが今優先して目指すのは、CMSを利用しやすくして、Webサイト制作の敷居を下げることです。シックス・アパートは、アーリーアダプターの要望にマッチした製品を作る戦略で、絶えず新しい価値を提供することに重きを置いて開発を進めています。
ただ、誰でも手軽に使えるようなツールでもある。その点を訴求できていたかといえば、正直言って手薄な面があります。当社でやるべきこともたくさんありますが、広く皆さんに認知していただくにはパートナー企業の力も必要。ぜひ、ロフトワークさんにも協力してもらいたいですね。
諏訪 それはもちろん。では、最後に2010年の抱負をお願いします。
関 MTは、バージョン3でブログツールとしての強固な地位を確立させ、バージョン4でCMSに進化しました。今回の新版では、CMSとしてさらに発展させました。Webの職人ではなく、誰でも手軽にWebサイトの制作・管理を手がけられるツールになっています。「いつかはMT(を利用する)」ではなく、「誰でもMT」となるように日本でMTを広められるようにしたいと思います。
諏訪 乗用車でたとえれば、外車や高級車ではなく日本で最も売れていると言われるホンダの「フィット」のような存在ですね。MTって日本のWeb開発者の登竜門的なイメージがあります。「Web制作を始めるならMT」みたいな。なので、シックス・アパートには、自社のビジネス拡大だけでなく、日本のWeb開発者を増やすという重大な責任もあると思うんです(笑)。MTの今後をロフトワークも応援させてもらいますね。本日はありがとうございました。
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