トップ > 特集 > Web担当者はここを押さえろ! 企業サイト解析のコツ セミナーレポート

「今、Webマーケターは岐路に立たされています」と切り出したのは、ロフトワーク マーケティングDiv.の君塚美香です。「次々に高度な解析ツールが登場する中で、いったいマーケターは何をすればいいのかというと、ツールに負けないくらいの知的労働者になる必要がある」と言及。
そのために重要になるのがWeb戦略です。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などのマス媒体からシェアを奪う勢いでインターネットが重要視される時代に、ツールや手法など、Web戦略を実行するための施策も多様化してきています。これらをキャッチアップしていくのは大変であり、全部を自分でやることは現実的でありません。必然的に、さまざまな企業と連携する機会が多くなります。
では実際にどこに頼めばよいかとなると、広告代理店、SIer、制作会社などの複数のパターンが考えられます。
ここで君塚は、「広告代理店にWeb戦略を出してくださいと頼むと、やっぱり広告出稿でしょ!となる。これがSIerになると、やっぱりシステムでしょ!となり、制作会社なら、やっぱりWebサイトを作るしかないでしょ!といった具合です。それはそれでよいのですが、本当に大事なのはその後。たとえば、広告を出してどうたったのかを聞くと、次のアクションへの提案がなかったりする場合も多いわけです」と強調。
つまり、マーケターとして投げっぱなしはいけないということです。「戦略は自社で考えるべきです。どこに何を依頼するか、企業側がきちんとマネジメントする姿勢を持つ必要があります。企業の下に代理店がいて、そこに予算を全部預けるという従来の図式ではなく、これからは戦略ありきでさまざまな企業と連携し、責任者が適切にコントロールしながら一緒にやっていくとよいでしょう」(君塚)。
そこで有効に活用したいのがアクセス解析です。リアルタイムとまではいかなくても、日々自社で数値を見ることができ、戦略に即したWebサイトの最適化に役立ちます。また一方で「分析から戦略というパターンもあり得ます」と君塚。その手法について、「経営指標を測るためのバランス・スコアカード(BSC)を使ってWebを評価する方法があります。ロフトワークではCMS学会を通じて去年から取り組んできたのですが、財務の視点・業務プロセスの視点・顧客の視点・学習と成長の視点の4つの視点で見ていくことで、バランスの取れた評価が行え、この分析結果を次の戦略に活かしていくことができます」と説明しました。
マーケターは便利なツールに負けない知的労働者を目指すこと!
●広告代理店、SIer、制作会社に投げっぱなしにしない
●Web戦略は自社で考え、戦略ありきでさまざまな企業と連携する
●アクセス解析を使って自社で現状を把握し、Webサイトの最適化を目指す
●BSCを使って分析結果をもとに戦略を練るアプローチも有効である
続いて、「現場でプロが培ったGoogle Analyticsの使い方」の著者、株式会社アスキー・メディアワークスの中野克平氏が登壇。「戦略とは、会社や個人がなるべく得をするための、あるいはなるべく損をしないための方針を考えること。その方針が間違っていないかどうかを確認するために、私はGoogle Analyticsを使っていました」と語り、メディアサイトの運営者としての経験から、アクセス解析のノウハウに切り込みました。
雑誌編集者を本業とする中野氏は、はじめに雑誌づくりのノウハウに触れ、雑誌の売り場、売り場に対応した効果的な表紙や誌面づくり、雑誌の購買モデル(購入経路)について説明。その上で「雑誌編集者は、いかに雑誌をレジまで持っていかせるかというコンバージョンを考えて仕事をしているわけです」と語り、雑誌づくりとの対比で、さらにWebサイトのコンテンツづくりに言及しました。
「たとえば、あるコンテンツの読者モデルから考えてみると、トップページから来て面白そうだから読む、検索エンジンから来て探していたことが書かれているから読む、他の参照サイトから来て期待どおりだから読むなど、こういう流れでコンテンツに到達します。
ただし、雑誌編集者なら即ボツになるようなアイデアも、Webではやってみればいい、調べてみればいい、となります。これがWebの世界の流儀であり、戦略的になっているかどうかを判断するために分析を行います。つまり、目的にかなっているかどうはGoogle Analyticsで調べればいい、というのが私の考えです。」
中野氏は、Google Analyticsで評価を行う際の心得として、次の点を強調します。
●指標はモデルに沿って読む
ページビューが多い少ない、直帰率が低い高いなど、全体で理解しようとしない!
●指標そのものに意味はない
何もしなくても日々変化するので、むやみに原因を考えない!
●他のサイトと比較しない
改善策を適用して効果を測定できるのは自社サイトだけ!
そこで中野氏は、Google AnalyticsによるASCII.jpの解析結果を例に、実践に役立つノウハウを紹介。その内容は次のとおりです。
| アクセス解析のコツ | 閲覧開始ページを見る! サイト/カテゴリートップは、コンテンツページに読み進んでもらうためのもの。直帰率が低ければ低いほどよく、全体よりも直帰率が悪い部分が見つかれば、その原因を考えます。 |
|---|---|
| PDCAサイクルによる改善方法 | 投入するコンテンツが少ないか、世の中の関心とずれている、あるいは見出しに工夫が足りないなどの仮説を立てた上で実行に移し、指標が変化したかどうかを調べます。 |
| アクセス解析のコツ | 閲覧時間、直帰率、離脱率を見る! たとえば、平均ページ滞在時間が長い場合は、世の中の関心を満たせたということがわかります。 |
|---|---|
| PDCAサイクルによる改善方法 | まず、サイトがGoogle型かYahoo!型を調べ、相性のよい検索エンジンからユーザー像を想像。ユーザーが探していることと、調べていることの動機や目的に見合ったコンテンツを投入し、ターゲットとなる検索エンジンからユーザーが送り込まれてきたかどうかを調べます。 |
| アクセス解析のコツ | 参照元別の直帰率をみる! 直帰率が平均より高かったのか低かったのかを比較します。 |
|---|---|
| PDCAサイクルによる改善方法 | 参照元コンテンツの文脈から好意的サイトと批判的サイトに分類し、参照元サイトの管理者(投稿者)と読者の心理を想像。ターゲットとなる参照サイトに見合ったコンテンツを投入し、想定どおりにユーザーが送り込まれてきたかどうかを調べます。 |
「期待した効果が出なかったら、そこにあるユーザーの心理を読み解き、もう一度やり直してみること。そうやってPDCAサイクルを回していくのです」(中野氏)。
方針が間違っていないか、目的にかなっているかどうかをGoogle Analyticsで調べる!
●トラフィックごとにユーザーの心理に違いがある
●検索エンジンを調べているときの動機、参照元コンテンツを読んでいるときの気持ちを考える
●コンテンツを作るのは簡単であるが、ユーザーに支持されるコンテンツを作るのは大変である
最後に、2008年からコーポレートサイトの運営に携わってきたというロフトワーク マーケティングDiv.の山口謙之介が登壇。「私もアクセス解析のプロではありませんから、Google Analyticsを日々活用する中で感じたこと、考えたことをヒントとしてお伝えしたい」と前置きした上で、自社サイトのリニューアル前後の比較に活用したアクセス解析のノウハウを公開しました。
ロフトワークのコーポレートサイトの目的は、商談につながるインバウンドの獲得、企業サイトとしてのブランディングです。もちろん制作会社として、自らのサイトを通じてWebマーケティングを実践・検証する役割も持ち併せています。
2008年6月のリニューアル以前は、年間36万PV、ページ数320ページ、月間平均リード獲得数12.2件。リニューアルにあたり、月間平均リード獲得数50%増を目標にしたというロフトワーク。気になるのは、その改善方法です。山口は自社における具体的なPDCAの実践例を、コンバージョン、平均滞在時間、直帰率の3つの視点から説明。その内容は、次のとおりです。
問題:そこそこアクセスはあるもののコンバージョンが伸びない。
仮説1:文字数が多く、ファーストビューに問題がありそう。
改善策:ファーストビューの構成を再考(キャッチコピーを立たせる、課題を箇条書きにする、モデル価格を出す)。
↓
効果 → コンバージョン数166%アップ、コンバージョン率44%アップ
仮説2:コンバージョンにもっとも近い見積り依頼フォームに問題がありそう。
改善策:ユーザーにわかりやすいように見積り依頼後の流れを明示。
↓
効果 → コンバージョン数191%アップ、コンバージョン率48%アップ
問題:モデル価格ページの滞在時間が短い。
仮説:多くの顧客にとって、提示されている価格が高すぎる。
改善策:ミニマムからマックスまで複数の価格帯を提示し、その前提条件も記載。
↓
効果 → 平均滞在時間62%アップ
問題:多くの新規訪問者を獲得しながらも直帰率が高い。
仮説:ユーザーをつなぎとめる工夫が足りない。
改善策:あるニュースページに事例へのリンクを画像とともに追加。
↓
効果 → 直帰率11.37%削減(10人に約1人は次ページへの誘導に成功)
「リニューアル一年後のコーポレートサイトは、年間72万PV、ページ数870ページ、月間平均リード獲得数25.7件を達成。月間平均リード獲得数については、当初の50%増を大きく上回り、実に110%増を実現しました。当社のように月に数回仮説を実行できるのも、CMSを使って運用しているからです。一番大事なのは、立てた仮説を実行してみること。そのためにもPDCAを回せる環境を構築することが重要になってきます」(山口)。
仮説を速やかに実行するためにも、PDCAサイクルを有効に機能させるための環境を整備する!
●訪問者のことをちゃんと考える
●アクセス解析ツールの数値から訪問者の実像を予測する(読み解く)
●仮説ありきで数値を読み解く
全セッション終了後は、ロフトワークの君塚をモデレーターに、中野氏と山口の三人によるパネルディスカッションが行われました。Google Analyticsの活用の可能性について会場からも質問が飛び出し、より実践的な議論が展開。ここでも終始、仮説→実行→検証の重要性が強調されていましたが、中野氏による「PDCAというと堅苦しいですが、要は練習して試合に負け、反省するのと一緒。難しく考えることはありません。誰にでもできることです」というまとめの言葉が印象的でした。
モンゴルに行ってきました!生まれて初めてのモンゴル訪問レポートです。
そんなところに一体…
[Summary] I bought the latest version of Appl…
Copyright ©2000-2011 loftwork Inc. All Rights Reserved.