トップ > 特集 > ECサイトにとってのアクセス解析(2)


権 成俊
ECサイトではユーザーに決済という高いハードルを越えさせなければなりません。そのため、もともと購入意欲の高い見込み客を誘導することが前提であり、その為に商品を“探している”検索エンジンユーザーを誘導することを考えます。逆に言えば、そのサイトがどんなに素晴らしいものであっても、もともと商品に対する興味の薄いユーザーに購入したい、と思わせるほどその態度を変容させることは難しいのです。
そのため、ECサイトの成果を推し量る上で、興味の強いユーザーをどのくらい誘導できるかが重要であり、サイトリニューアル時は、まずは現在成果につながっているアクセスルートからの訪問者をどのくらい増やすことが出来るのかを推測します。さらに、それらの訪問者に対してより良いサイトを提供し、コンバージョンレートを向上させることが出来ればさらに売上は伸びることになるわけです。
たとえば、“Tシャツ 通販”というキーワードでの訪問者の平均訪問値が2000円で、毎月2000人が訪問している場合、毎月400万円の売上につながっていることになります。この訪問者のほとんどがSEOによる自然検索の結果(リスティング広告では無い検索結果)からサイトを訪問している場合、検索順位が向上すればさらに多くの人数を誘導することが可能です。たとえば、現在5位に表示されていれば、1位になった時に2倍以上の訪問者を獲得できるでしょう。さらに、“Tシャツ 通信販売”のように同じような意味をもつキーワードであれば、まだ訪問者を獲得できていないものでも同じような成果が期待できます。そのようなキーワードを発掘することで、さらに成果の見込みが高まります。このようなキーワードを体系的に発掘するために、Google AdWordsのキーワードツールなどが活用できます。
さらに、そのランディングページの直帰率や滞在時間から改善の余地があることが発見されており、改善によって購入率を50%向上させることが出来るとしたら、訪問者の2倍の増加と購入率の1.5倍の向上で合計3倍の成果につながることになります。これまで成果につながったすべてのキーワードで同様の試算を行うことで、サイトリニューアルの成果を予測することが出来ます。ただし、SEOの効果もサイト改善の効果もその効果が最小限にとどまった場合と最大値になった場合で幅を持って試算をする必要があるでしょう。
平均訪問値や$インデックスなどの指標を活用するためには、Google Analyticsのeコマース機能を活用しなければなりません。Eコマース機能はアクセスログデータと売上データを合わせて分析する機能で、カート側にGoogle Analyticsの仕様に沿って売上データをGoogle Analyticsに提供する機能が必要です。自社でカートの運用をしている場合はGoogle Analyticsのヘルプの記述に沿ってカートをカスタマイズすることで実現出来ますが、ASPカートを利用している場合はGoogle Analyticsのeコマース機能に対応しているカートを利用する必要があります。
これまでに見てきたように、アクセス解析では自身の立場、権限で可能な改善作業から逆算して分析することで、無理なくPDCAを回すことが出来ます。
大きな改善を行うためには組織全体の合意形成が必要で、その為のデータとしてもアクセス解析は非常に有効なものです。経営とWEBの接着材として、ぜひアクセス解析をご活用いただきたいと思います。
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