トップ > 特集 > 2011年 01月 > 人間の欲求にリーチするクリエイティブ 広告・プロモーションサイトの仕掛け人 株式会社ピクルス・タナカミノル氏インタビュー 第1回(1/3)

1999年頃からFLASHを始める。その後、3年間のフリーランス経験を経て2003年にピクルスを設立。「遊び心」に溢れた広告系サイトやコンテンツなどが得意です。「創る」ということ=「伝える」ことだと考えアイデアやクオリティを追求しています。ディレクション・デザイン・プログラムに携わる。
Webサイト:株式会社ピクルス
Twitter:@minoru_tanaka

ロート製薬:キスしたくなるくちびるコンテスト「I want Chu」 2009年12月
コンテンツ企画、ディレクション、デザイン、FLASH実装
Client:ロート製薬株式会社 Agency:株式会社 アサツー ディ・ケイ Production:株式会社 ピクルス
これはピクルスの代表作の一つである、メンソレータム オイルモイストリップのプロモーションサイトだ。タイトルどおり“キスしたくなるくちびる”が、無数に流れてゆく。しかもスクロールやマウスによるジェスチャーでプルンと震える仕掛けだ。携帯の写メールやデジカメのフォトデータで、誰でも唇を投稿でき、さらに“キスしたくなる”唇を投票、Twitterで即座につぶやける。
「自分をダイレクトに伝えたい人が、こんなにいるんだ!って僕自身とても驚かされました」と振り返るタナカさん。
グランプリに10万円の賞金とオリンパスPENが当たるというキャンペーンも手伝い、約1300もの唇が集まった。
「いわゆる“モテ系”を狙っている人も巻き込めるし、タイトルだけで話題になる気がしていたんですよ。たぶん自分でコピーを考えたから思い入れが強かったのかもしれないですね。“I want Chu(アイウォンチュ)”っていうのを思いついた際に、これはイケるっていう予感がしたんです。」
自身も今のキャリアに行き着くまでに、映画監督に憧れたり、劇団員になってみたりといった“寄り道”が多かったタナカさんのクリエイティブは実に自由でとらわれることがない。FLASHデザイナーであり、Webディレクター。しかしアイデアの出発点はコピーだったり、映像だったり、あるいは音だったりと様々。その高い自由度にとどまり続けることができるからこそ、人間の本能的な欲望をくすぐる仕掛けを思いついたのだ。
「さらに何か面白くできないかなと考えていたときに、ニコニコ動画などにアップされていた胸が揺れるアプリの映像を見て“これだ!”って思って。そこから完成までのイメージは一貫していました。単に唇がプルンって揺れるという、エロくてキモい質感に当たりを感じましたね」 このスピード感と直感性がピクルスの制作物を支えている。
そして、そのクリエイティビティは意外性を生み出し、テレビをはじめとするメディアを惹きつけた。「たとえば“今1位はこの人です”ってテレビで放送してもらえたり、雑誌に掲載されてアクセスが一気に増えたりなど、コンテストが終わってからもエンタテインメントとして注目を浴びていました。さらには“1位の人の正体は誰だっていう企画できますか?”と問い合わせがあったり、継続的な反響を生みましたね」
“キスしたくなるくちびる”という、本能に訴えかける発想と、それをFLASHで実装した仕掛け、さらにTwitterのバイラルを使ったこのアイデアは、WEBだけに留まらずに様々なメディアで話題になった。
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