トップ > 特集 > シェアリズム〜ギブ&シェアから生まれる未来 小林弘人×林千晶 トークイベント・レポート(1/3)

去る2011年5月12日OpenCUにて開催されたイベントの様子
今回のセッションで、小林氏は書籍『シェア』からアップデートした最新情報を共有していくのだという。まずは、書籍が刊行された直後に起きた東日本大震災とソーシャルメディアの関係について話が始まった。
小林 震災が起こったとき、ソーシャルメディアの動きは早かった。ソーシャルパワーをよく知っているからですね。詳細は私が書いた記事をご覧いただくとして(現代ビジネス掲載「日本のメディアが変わった10日間」)、今回は国境を越えてつながりました。例えば、震災への寄付を早期に始めたのは海外のソーシャルサービスでした。フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグとショーン・パーカーの僚友ジョー・グリーンが立ち上げた、社会貢献に向けてネットで寄付を呼びかけるクラウドファンディングの“causes”や、小口決済サービスの“Twitpay”などがそれです。
『シェア』の監修をやってから受けるインタビューでは、シェアが発達すると資本主義の経済が停滞するんじゃないかと年配の方に質問されることが多かったですが、ネット上では共有が当たり前だという認識が広がったのか、“なんでシェアするの?” ”何のメリットがあるの”という疑問を一部払拭したという印象を受けます。
causes
世界規模のクラウドファンディングによって、さまざまな国際問題を解決する個人・組織を支援するプラットフォーム
林 クラウドファンディングのサイトは、けっこう出てきていますよね。日本でも近々“CAMPFIRE”(編注1)がオープンしますが、海外ではその先駆となる “Kickstarter”が有名です。
アーティストが自分のプロジェクトをWeb上でプレゼンし、それに共感する人々が寄付をするというサービスですね。震災に関連した動きでは、政府が発表する放射線値に不安を持つ人々が集まって、自作のガイガーカウンターを作って日本各地に設置し、その値を公開する“safecast.org”もKickstarterから生まれてきました。
Kickstarter
アーティストや活動家がページで自分のプロジェクトをプレゼンテーションし、
それに対してネット上の市民が金銭的・共感的支援を行うクラウドファンディング。
金銭的協力を行えばリワード(支援)も受け取れる
編注:1 CAMPFIREについては、WebEXPでも設立者の株式会社ハイパーインターネッツの石田氏、家入氏へのインタビューで紹介している。
詳しくは「ソーシャルの向こう側へ!」を参照。なお、2011年6月上旬にサイトはオープン。
小林 チュニジアなどの民主化運動にFacebookが貢献した“Facebook革命”は有名ですが、僕は日本のソーシャルメディア革命はこの震災が契機に起きたと考えてます。米でも9.11後から流れがウェブでの起業家たちの意識が変わったという人が少なくありません。ただし、それは有事のことなので、今後、平時に戻りつつあるなかで、いかにシェアをビジネスとして回し続けられるのか、その換金化に興味があります。共有経済と貨幣経済のハイブリッドモデルの成立が、シェアリング・エコノミーが根付くかどうかを決めるでしょう。
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