トップ > 特集 > “Webチーム作りを成功させる”10の工夫 キヤノンマーケティングジャパン株式会社 増井達巳氏 インタビュー前編(全2回)

キヤノンマーケティングジャパン株式会社 ウェブマネジメントセンター所長
1980年オフィスコンピューターの直販営業で入社。その後、システムズエンジニアへ担当業務を変更。1983年から約10年間で100社以上のお客様向けアプリケーション開発を経験。システムズエンジニア本部統括部門,オープンシステムSE部門ほかを兼務する。1999年に,新規事業推進本部に異動、2000年から始まった経営情報改革プロジェクトでは,プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)の統括メンバーに。その後、同プロジェクト内で企業におけるWeb活用の重要性を検討するWeb分科会のPMを経て2001年1月より現職であるウェブマネジメントセンター所長に就任する。独自のWebマネジメントプログラム理論を基盤に構築したWebガバナンスのノウハウには定評があり、各種講演会ならびにコンサルティングを行う。
●Twitter:@tmasui
増井氏率いるWebチームは、キヤノンのWebサイトを管轄する部署であり、キヤノンのコミュニケーション本部に所属する。その立ち位置を「Webサイトの担当者である前にまずコミュニケーションのプランナーであり、デザイナーであるべきだというのは常に念頭に置いています」と増井氏は語る。Webチームである前に、コミュニケーションを本業としているという前提があるのだ。
「まず、キヤノンのWebサイトでのコミュニケーションの本質を一言で表現すると、ユーザーとの“価値交換”です。さらに、提供すべき価値の分類を3つに分け、全ての価値がこの3つの中においてストーリー構成されるように徹底させています。それぞれの比重は年ごとに策定されるために変動しますが、必ずこの3つの価値に帰結させるようにします。そうすることで、アウトプットのブレを無くすのです」
Webサイトでは、製品情報やサポート情報など、実に多彩な情報を発信している。増井氏はこれらを全て以下の“canon.jpが提供すべき価値“にそって構成している。
canon.jpが提供すべき価値
機会・・・ユーザーがコンテンツにアクセスする機会が多く与えられえいる(再来訪率が高い)
保証・・・ユーザーが求める情報をより多くの人に素早く確実に提供できている(サイト品質が高い)
共感・・・キヤノンの製品・サービスやキヤノンらしさが訴求できている(メッセージ訴求力が高い)
この3つの価値は、なんと10年間変更されたことがないという。もちろん、増井氏の管理するウェブマネジメントセンターのチーム、17人全員がこの価値を覚えている。
そのため、コンテンツオーナーやチームから新しいWebサービスやコンテンツ企画などの提案がある場合、これら3つの価値要素のどれを目的としているのかを増井氏は判断する。目的やが提供できる価値が曖昧な場合は、企画案を採用しないこともあるのだという。
「キヤノンのサイトのキャッチコピーは“ギブ&テイク”です。私たちが適切な価値を提供し、それをお客様がご覧になり、コンバージョンとして、あるいは共感として、価値の承認として我々に返してくださる。その価値交換の流れを、止めてはいけないんです。Webサイトの運営にはこうした考え方の軸の構築が何よりも必要ですね。軸がなければ何をどうしていいのかが分からない上に、何が起こってどうなったかのモニタリングができませんから」
軸の無いサイトは羅針盤を持たない航海のようなもの。新しく生まれこそすれ、それに何の意味があるのか分からない状態になりがちだ。それこそ、企業Webサイトが危機感を持たないといけない状況といえる。
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