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シモダテツヤ氏に聞いた、“ギリギリセーフ”の発想術とは? 後編(全2回)

取材・構成

株式会社ロフトワーク
ウェブエキスパート編集部
  • 会社の企業理念が「がんばるぞ!」だけだったり、制作案件を見れば「インド人完全無視カレー lインド人のアドバイスを完全無視!」と明記されていたりなど、会社HP内を開けば信じられないコピーが飛び出す。それでも誰にも「ふざけるな」と言われない。それどころか、クライアントワークから独自の自社カルチャーを創造し、話題性をかっさらい続けているWebコンテンツ制作・運営会社、それが株式会社バーグハンバーグバーグ(以下BHB)だ。

    こんなにふざけていて大丈夫なのか、と。サイトを見れば誰もが思ってしまうこと。

    しかし普通であれば、せいぜい地図や電話番号を調べて終わり…のオフィス紹介ページに多数のリツイート数が表示されていたり、コメントが寄せられていたりするということは、実はちょっとすごいことなのだ。取引先を見ると、NTTコミュニケーションズ株式会社「OCN 年間キーワードランキング」、株式会社ナイキジャパン「NIKE+ 公式ブログ」、株式会社リクルート「R25」、株式会社博報堂と、一流企業の名前ばかりが並んでいてドキリとさせられる。「えっ、でも、これもウソなのでは?」。そう思うころには、すっかりBHBのファンになってしまっている。企業Webサイトとして、この影響力はすごいことではないだろうか?

    それに、ネットやソーシャルメディア上では、 「オモコロ」、「バーグハンバーグバーグ」というワードが話題になっている。その仕掛人であるシモダテツヤ氏とは、どんな人物なのか? いかにしてこの会社を、そしてサイトを産み出しているのだろうか? 今回は、その活動の信念を探ってみることにした。BHBの世界にしばし浸る、濃厚なインタビューをご覧ください。

    聞き手:太田聡(株式会社ロフトワーク クリエイティブディレクター)

プロフィール

シモダ テツヤ Tetsuya Shimoda

株式会社バーグハンバーグバーグ代表取締役。2004年に株式会社paperboy&co.に入社。「ロリポップ!レンタルサーバー」などのマーケティング業務の傍ら、個人でお笑いポータルサイト「オモコロ - あたまゆるゆるインターネット」を立ち上げる。2010年5月に、株式会社paperboy&co.を退社し、2010年6月に「株式会社バーグハンバーグバーグ」を設立した。ホームページ制作からWebを中心としたプロモーション企画を幅広く手がける。主な取引先はNTTコミュニケーションズ株式会社、NTTレゾナント株式会社、株式会社リクルート、株式会社博報堂など。(サイト参照) 関連リンク:株式会社バーグハンバーグバーグ twitter:@shimoda4md

何が起こるか分からない“予定不調和“を目指す

後編では、シモダ氏にBHBのクリエイティビティについて話を聞いた。爆笑の会社概要やクライアントワークは、一体どんなところからインスピレーションを得ているのだろうか?

「自分が子供のころの放送されていたテレビ番組に漂ううさん臭さが好きでした。例えば、 “徳川埋蔵金を探せ”とかって、実際には埋蔵金なんて出てこないですよね。でも、いかにも怪しい専門家みたいな人が“ここにあるかもしれません”みたいなことを言ってて、スペシャルで延々と土を掘り続けている。これって言い換えれば“スペシャル特番!3時間土を掘る!”ってことになりかねないじゃないですか(笑) こういう真面目だけどなんか抜けてるようなシュールさには影響を受けてきましたね」とシモダ氏。

かつてのテレビ番組は、様々な冒険をしていたものだった。一般サラリーマンの目の前に200人の大群が登場し、ワーっと逃げまどう。意味が分からないままに、本能的に逃げ出すそのサラリーマンを隠し撮りして、最後に「テレビです」のドッキリオチ…そんなアイデアを放送できる時代があった。

予定調和ではなく、いかに誰よりもバカになれるのかを命がけで競い合った時代。たしかにBHBの仕事には、その時代の温度感を体験させられるものが多い。

シモダ氏「よくテレビとかで見るカレーの開発って、インドからシェフを呼んでそのアドバイスを反映させるみたいなもっともらしいことをやるじゃないですか。だから逆にそのアドバイスを全部無視したら、面白いことになるんじゃないかな、ということから始まった企画でした(下記サイト参照)」

『インド人完全無視カレー』インド人完全無視カレー
詳しくはぜひサイトで堪能してほしい

とはいえ、BHBはクライアントに企画の趣旨をどう説明し、説得をして仕事を進めていくのだろう? 「多くのカレー専門店がインド人のシェフを呼んで、アドバイスを受けるだけのプロモーションになっている。それらと差別化を図るために、弊社はインド人のシェフを招聘し、そのアドバイスを完全無視するプロモーションを提案します」などと企画書に落とし込むのは難しいだろう(たしかに面白いが…)。

「基本的にはオーダーに添った形で考えて、クライアントには、“当たるも八卦、当たらぬも八卦”という話をよくします。よく“こうすれば当たる”というのを過去の事例から持って来る人がいますけど、結果的にそれは二番煎じでしかないじゃないですか。新しいことをやる場合、当たるかどうかは分からない。サイトで僕たちのやっていることを知ってもらい、僕たちにお仕事を頼んでいただけるのなら、出来上がりを楽しみに待っていただきたいですね」とシモダ氏。

“尖っていて、当たることが保証されるもの“などは存在しない。誰もやったことが無い面白さという価値、BHBはまさにそこを狙いに行くための会社なのだ。

シモダテツヤさんインタビュー: シモダテツヤ氏に聞いた、“ギリギリセーフ”の発想術とは? 後編

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