トップ > 特集 > “ツイッター繁盛論”で話題を呼んだ 豚組・中村仁が仕掛ける「飲食店クチコミの再発明」 後編
ここで、中村氏の絵描く、今後の「店とお客様の付き合い方」について聞いた。
「クチコミの精度は上がったかもしれませんが、必ずしもクチコミサイト等のグルメサービスで飲食店が幸せになっているわけではないと思います。例えば、グルメサイトの常套手段であるオンラインクーポン集客ですが、言い換えれば割引による“新規顧客獲得”です。リピート誘発には効果がありません。つまり、ずっと店には常連客がつかず、極端に言えば、オープン当時と1年後も新規顧客ばかりといった状況になりかねないのです。とはいえ、ネットの恩恵で数が稼げることもあって、とにかく集客が落ちたらクーポンということを繰り返してしまう。これでは焼畑農業みたいなものです。お客様を育てていこうとしなければ、数が入っていても、“いつもうまいね”なんて言ってもらえないし感謝されない、そこに幸せはないと思いますね」
私達、客はたくさんの店を効率よく知ることができるために、いつの間にか店の使い捨てをしているのではないだろうか。
「おいしい店が簡単に見つかる分、見つけたときのありがたみが減っているんです。昔はいい店を見つけたら、お客様も店を大切にして通ったものです。でも今は、お互いに消費し合っている産業構造になりがちです。これでは、お客様も実は損をしているのです。お客様にとっての幸せは、味や値段だけでなく、お店やお店の人との繋がりも大切なんですね。それは、ただ大衆に向けた“安い!美味しい!”だけでは成し得ません。お店とお客様が幸せに繋がるには、お客様の食生活と、店の個性とのマッチングがうまくいっていないとだめなんです」と、中村氏。これに関連してmiilの可能性を示唆する。
クーポンと共感による集客サイクルの違い(イメージ)
「例えば、お客様が食生活や嗜好の近い同士で繋がってゆけば、店の側は自分の店と相性のいいユーザーをそこから探して、店に呼ぶという新しいコミュニケーションが生まれます。クーポンを出すにしても、誰でも使えるものではなくて、自分の店と相性のいい人達だけにクーポンを出すことができる。そうすれば使い捨てにならず、精度の高い集客になるわけです。もちろんリピートにもつながりやすい。
ちなみに、この手法はクチコミが重要な業界には有効ではないでしょうか。例えば、ファッションのような、正解がなく好みで評価が決まるようなジャンルとは相性がいいかもしれません」
いかなる場を運営するときにも大切なことは、そこに来る人を知り、その場を好きになってもらうこと。来る人を知るためのツールを自分たちで作ることも重要なことだ。
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